戻る 




上用饅頭を何回か作りました。一度目は皮が硬くて失敗しました。二回目は上新粉を混ぜ合わすところで注意しながら畳むように混ぜ合わしましたが、(中略)芋をすり合わせる時あまり長くすり合わせない方がいいのでしょうか?
<回答84>



(T.T.さん)
上用饅頭を何回か作りました。一度目は皮が硬くて失敗しました。二回目は上新粉を混ぜ合わすところで注意しながら畳むように混ぜ合わしましたが、たねをちぎってみても
ポンという音がせず、芋のねばねばがのびるようにちぎれました。上新粉は少し多めに残りました。包む時に手にベタベタとつきました(手粉をつけて)。出来上がりの皮はやわらかくふっくらと出来たように思いますが、割れたり、だれたりしました。今回も、上新粉を入れ込むときに少しずつ粉を振りかけては、たねを伸ばしながら畳み、上から押すというように数十回は繰り返して、ちぎってみるとポンという音がしました。上新粉は少しだけ残るぐらいでした。包む時、手にはつきませんでした。たねのやわらかさもマシュマロぐらいにはしたつもりですが、出来上がりはかためになってしまいました。皮は割れませんでしたがふっくらとしません。目が詰まっているような感じでした。粉を入れすぎでしょうか?きちんと混ざっていないからでしょうか?
今回はすり鉢は使いましたが、手で芋と砂糖を混ぜ合わしました。二回目まではすり鉢とすりこぎを使って混ぜました。
芋をすり合わせる時あまり長くすり合わせない方がいいの
でしょうか?目安はありますか?
ふっくらとやわらかい皮にするには何に気をつければ良いのでしょうか?
毎回蒸し時間は弱めの強火で10分です。
配合 二回目(6個分として)
つくね芋40g、上白糖65g、上新粉45g、こしあん(市販)120g
配合 今回(5個分として)
つくね芋15g、上白糖35g、上新粉40g、こしあん(市販)100g
もうすぐ友人が結婚するのでその前祝いで紅白饅頭を作ってあげたいのでどうかよろしくお願いします。

<プロからのアドバイス>
上用饅頭は、饅頭のなかでも比較的に難しいもので、用いる芋の性質によって配合が大きく変わってまいります。また、粉の混ぜ方によって出来上がりが大きく変わります。

田中さんの配合
配合 1回目(6個分として)
つくね芋40g、上白糖65g、上新粉45g、こしあん(市販)120g
芋の量から云って粉が少なすぎます、ベタつくでしょう。

配合 今回(5個分として)
つくね芋15g、上白糖35g、上新粉40g、こしあん(市販)100g(粉がやや多い)
この配合で良いと思われますが、上新粉を35g〜36gにしてみて下さい。
芋の割合に対して粉が少々多いのが原因だと思われます。

田中さんの場合は、成功直前のところですね。
次回には次のことに留意して下さい、

芋をすり合わせる時あまり長くすり合わせない方がいいのでしょうか?目安はありますか?
すり鉢を用いるのは、芋の粘りを出すことと、空気を抱き込ますことにあります。でも攪拌し続けると芋の粘りも無くなりますので、必要以上に攪拌し続けないで下さい。目安と云っても経験に尽きますね、一番解りやすいのは、とにかくすりつづけることですね、材料は無駄になりますがこの方法が一番解りやすい方法ですね、触りながらよく見ていると、最初けっこう粘り気が有ったものが、すりつづけるとダラっとしてしまいます。つまり芋の腰が抜けてしまうのです。材料は無駄になりますが一度は経験しておくのがベストです。私は初心者には必ずこの方法で経験させます。
また空気の抱き込みが少ないとふっくらしたものに仕上がりません。ふわっとした状態で粘りが有るものに仕上げるのですが、何度かの経験が必要ですね。

粉を合わせるとき、手の熱で生地を温めないように注意して下さい。生地が暖まりますとふっくらしたものになりません。

生地の仕上がり具合は、「ちぎってみるとポンという音がしました。」これで正解ですね。
「出来上がりはかためになってしまいました。皮は割れませんでしたがふっくらとしません。目が詰まっているような感じでした。粉を入れすぎでしょうか?」

T.T.さんのおっしゃる通りです。ピンポーンーでした。出来上がった生地を放置しておくのも良くありません、生地が出来上がれば10分以内に包み終えてください。

(お奨めの製法)
つくね芋15g、上白糖35g、上新粉35g〜36g
この配合で85gの生地が出来上がりますので、これを五等分すると、一個17gのとなります。
17gの生地に対しては餡は40gが最適です。蒸し時間は強い蒸気で8〜9分位です。
蒸す前にごく軽く水霧を吹いておくと割れませんが、饅頭の下部が割れるのは蒸しすぎ、上部にヒビが入るのは包み具合が偏っているか、生地不良。

(T.T.さんからの返事)
アドバイスしていただいた上用饅頭ですが、見事に成功しました。失敗を何回も繰り返して、もうこれを最後にしようと決めてやったその最後の最後に、見事成功しました!!
だんだんと芋の感触も理解できるようになってきて、粉の入れ方も何回か繰り返しているうちに、掴めるようになってきました。蒸し器の蓋をあける瞬間の緊張感は楽しくもあり不安でもあり、言い表せないドキドキでした。でも蓋をあけた瞬間にふっくらとした上用饅頭を見たときは飛び上がって喜びました。(失敗した時は立ち上がれないほどのショックです・・・)

あれほど嬉しかった事はありません。感動しました。一時間ぐらいニヤニヤと眺めて楽しみました。
友人にも喜んでもらえました。写真まで撮ってくれました。友人の結婚祝いに間に合って、喜んでもらえて本当に嬉しかったです。どうもありがとうございました。
アドバイスのおかげで、沢山勉強ができました。まだまだスタート位置に立ってるだけですが、ちょっと足をあげたぐらいには進んだかなと思います。
本当に有難うございました。
このはしゃぎ様は伝わったでしょうか?これからも、沢山和菓子を作って、失敗して勉強して研究していきたいと思います。
和菓子は、派手さは洋菓子に負けますがひとつひとつの姿がものすごくかわいく思えます。食べるのがもったいない程です。

これからも窮地に陥ったときは質問します。その時はよろしくお願いします。それでは、長くなりましたが報告を終わります。
さようなら。

戻る



このページはリンクフリーです。皆さんにみてもらいたいから、ちょっとだけコマーシャルを入れさせて下さいね・・・
このサイトは和菓子の通販・宇治の駿河屋が展開する和菓子 QA レシピのサイトです。
Webサイト一番の詳しい和菓子のレシピ&回答を目指して頑張ります。和菓子の質問で多いのは、善哉 ぜんざい もなか 最中 上用饅頭 葛饅頭 くずまんじゅう 羊羹 水ようかん 桜餅 さくら餅 牛皮 白玉 しらたま 善哉 だんご 大福餅 蒸しパン 栗渋皮煮 すあま などが挙げられます。以上、和菓子の通信販売でおなじみの宇治駿河屋、和菓子の レシピ 菓子QA コーナーでした。
*************************************************
不許複製(著作権は宇治駿河屋にあります)
創業明治43年 御菓子処・宇治駿河屋[うじするがや]
〒611-0021京都府宇治市宇治蓮華41
Copyright (C) 2005 10 UjiISURUGAYA ,Ltd.
*************************************************