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2004/11/13初版です
2012/10/30更新しました



マロングラッセ


マロングラッセ

マロングラッセ Marrons Glaces
(宝石の如き輝きを放つ栗)

まさに栗菓子の芸術品

シロップが乾燥した後、透明な薄いガラス幕状になるとマロングラッセの完成です。
(勿論ですが、栗の外側は乾いています、シロップが乾燥していないものはマロングラッセとは言えません)

Marron glace
大粒の栗を使用したマロングラッセの作り方
材料:渋皮を取り去った栗、約1キロを使用 
       砂糖は白双糖あるいはグラニュー糖を使用してください。
新栗・・・1キロくらい(大粒でしっかり実の入っている重量感ある、新鮮な栗を使用)
シロップ用:水あるいは煮汁 1 : 砂糖 1 の割合にする。
今回は1キロのグラニュー糖を使用しました。 +追加の砂糖 数カップ(砂糖を日ごと徐々に追加してシロップ濃度を濃くしていきます)
ブドウ糖・・・約 1 カップ(約80グラム)
好みにより、ブランディ ラム酒 バニラなどで香り付けをして下さい。

● 準備するもの
鍋、アク取り用お玉、金網(ケーキクーラー)、はさみ
糸、ガーゼ(栗の大きさに応じたガーゼを必要枚数用意)
糖度計は特に必要ありませんが、有れば便利な器具ですね。

● アドバイス・知恵
今回は高価な糖度計を使用することなく、簡単・確実に出来る方法をお教えいたします。
マロングラッセは栗選びで成果が決まります。
マロングラッセに使用する栗は、新鮮な物で重量感あるものを選んで下さい。
渋皮を剥きますので完熟した新鮮な栗を使用して下さい。
未熟なもの、冷凍もの、柔らかなものはとても剥きにくいので避ける。(渋皮煮に格下げ)
朗報−超剥きやすい国産栗「ぽろたん」が出来ました−>



Marron glace
● 作り方
マロングラッセ 00
(0) 
鬼皮をむくのはそれほど難しくはありません。要領さえ飲み込めば生のまま剥けますし、堅いものならば鬼皮に切れ目を入れてから5分程ボイルすれば簡単に剥くことが出来ます。(果肉まで柔らかくしてはいけません)
マロングラッセ 01
(1) 渋皮を剥(む)く
大変なのは渋皮をむく作業です。
コツは沸騰しているお湯を準備しておき、この中に栗を数分浸けて渋皮だけを柔らかくします、渋皮が熱い間に手作業で剥くのですが、渋皮が乾いてしまうと剥きにくくなりますので再度熱中に浸けて剥きやすくします。
マロングラッセ 02
(2) 渋皮むきでのワンポイントアドバイス
全量の栗を一度に煮てはダメです。
1〜2個ずつ処理していくことをお勧めします。要は渋皮を柔らかくして果肉は堅い間に完了することです。ボイルしすぎて果肉まで柔らかくすると、割れたり、煮くずれしたりします。剥き終えたものは水に浸けおきます。
マロングラッセ 03
(3)栗選び
簡単に剥けるものもあれば、なかなか剥けないものもあります。
このために栗選びは大切です。充分に熟した大振りな果実で、収穫間もない新鮮な栗を手にいれることに尽きます。朗報−むきやすい国産栗「ぽろたん」が出来ました>
マロングラッセ 04
(4) ガーゼで保護する
栗の大きさに応じたガーゼを必要枚数用意します。
渋皮煮の2〜3倍の時間を掛けて充分に芯まで柔らかく茹でますので、当然割れたり煮くずれたりします。これを防ぐためにガーゼで一個ずつ堅く口を閉じ、糸で縛りしっかりと巾着包みをします。
マロングラッセ 05
(5)
ガーゼに包んだ栗が水面から出ない様にたっぷりの水に浸けて茹でます。
ゆで時間は60〜120分間(渋皮煮の数倍の時間)は必要です。渋皮煮よりもかなり糖度を上げますので芯まで充分に柔らかくする必要があるのです。
マロングラッセ 06
(6)
栗が空気に触れない様に気をつけて1〜2時間煮ます。
重曹は絶対に入れてはいけません。アクが浮いてきたら気になる人は取りましょう。別に取る必要もありませんし、取らない方が栗の風味が良いように思います。
柔らかくなったかは、実際に食してみるしか方法はありません。
マロングラッセ 07
(7)最初の砂糖(煮汁を利用する方法)
食してみて栗が充分に柔らかくなったのを確かめたら、極弱火にして定量の砂糖を一度に入れます。溶かし終えたら火を止めてそのまま翌日まで放置し糖分を栗に浸透させます。栗が浮き上がって頭を出すようだと落とし蓋をして常に栗がシロップに漬かっている状態にして下さい。 (糖分が栗実に浸透するまでには12時間〜16時間くらいは必要ですね、)
補足1:
補足:今回は新たにシロップを作らずにそのまま煮汁を利用して1キロの砂糖を鍋に入れ溶かしました。この方が栗の風味がしっかりと残るからです。
但し鍋の形状によってはシロップの量も変わってきますので、分からない場合は、水あるいは煮汁 1 : 砂糖 1 の割合で栗が充分に浸かる量のシロップを作ってください。
特に分量を正確に計量する必要もありませんが、、、笑、

補足2:
2012/10/24
ナベ蓋はしない
(注意) 水分を蒸発させるためにも、ナベ蓋はしないで下さい。
砂糖を入れると濃度のせいで栗が浮き上がります。栗の乾燥を防ぐためにも落とし蓋(必ず木製・和紙などの水分を通すもの) は必要ですが、鍋には蓋をしないで下さい。
ナベ蓋をすると水分が蒸発せずに、砂糖濃度が上りがらないばかりかシロップの量が増えすぎて所定の濃度に達するまでには日数が掛かりすぎます。

マロングラッセ 08
(8) 二日目:2回目の砂糖を入れる
まだまだ水っぽいですが、美味しさは抜群ですよ・・・・
砂糖を2/3カップほど入れて火に掛け、砂糖が完全に溶ければ再度一晩寝かせて下さい。早く仕上げようとして多量の砂糖を入れると折角の栗が堅くなってしまい失敗します。
マロングラッセ 09
(9) 三日目:
一晩経って完全に冷えている密(シロップ)に指を入れて状態を確かめて下さい。少し粘りっけはあるものの糖化はまだしていない筈です。糖化しているかどうかは、栗を包んでいるガーゼに砂糖の結晶が出来ているかで分かります。
マロングラッセ 10
(10) 3回目の砂糖
砂糖を2/3カップ入れて火に掛け、砂糖を完全に溶かし終えれば一晩寝かせて下さい。新たに砂糖を入れたら必ず完全に溶かすことです。砂糖が溶けきっていないと糖化現象と見誤ってしまい失敗してしまいます。(ナベ蓋をしないでください)
マロングラッセ 10
(11) 四日目
シロップは充分にあるはずですが、栗が頭を出すようだとお湯と砂糖を同量追加して、栗が完全に浸かるようにして一晩寝かして下さい。
砂糖を完全に溶かしますが、決してぐらぐらと長時間煮続けないで下さい。
栗の芯が乾いてしまいます。
マロングラッセ 12
(12)
一晩経過してシロップが完全に冷えていれば、シロップの状態をみて下さい。鍋の縁やガーゼ表面に砂糖分が結出していれば仕上げに移りますが、そうでなければ(10) からの作業を繰り返し糖度を上げていって下さい。
繰り返し
(13)
鍋の縁や、栗を包んでいるガーゼ表面に砂糖分が結出しているのを確認できれば仕上げ(14)に移ります。ブドウ糖を1カップ用意して下さい。ブドウ糖の代わりに水飴は決して使用しないで下さい。
マロングラッセ 15
(14)仕上げ
ブドウ糖を1カップ(約80グラム)と水(お湯)1/3カップを鍋に入れ火に掛け、ブドウ糖を完全に溶かします。溶けたブドウ糖液を(13)に入れ、火力を調節して熱い状態に保ちます(沸騰させないこと)。好みによりブランディ・ラム酒・バニラなどを入れ、ここで香り付けをします。
マロングラッセ 16
(15)ガーゼから栗を取り出す
シロップを弱火で熱い状態に保つこと。
栗を一個ずつ取り出し、栗を保護していたガーゼをハサミで切り取り、栗を出します。
かなり熱いですから充分に注意して下さい。
マロングラッセ 17

(16)仕上がりです、美味しいですよ・・・・
取りだした栗を薄く油(サラダ油など)を塗った金網にのせ、栗の余熱で乾燥を待ちます。(栗が熱いことがポイントです)
← シロップの濃度により艶具合が変わっているのが分かりますから、ご自分で濃さを調整しながら結果を確かめるのもいいですね・・・・完成



マロングラッセに適した栗ってあるの・・・
ありますね、天津甘栗には中国産の栗が適しているように、マロングラッセにはフランス、イタリア産のものが適しています。産地・銘柄など詳しくは分かりませんが、渋皮の処理が非常に楽で簡単に剥けてしまいます。鬼皮と一緒に剥けてしまうものもある位です。
残念ながら国産の栗はこうは行きません。
このような理由から国産栗の場合、甘露煮や渋皮煮が主流になったのでしようね・・・・
国産栗でも渋皮が比較的簡単に剥けるものは、完熟なもので堅く実の締まっているもの、大振りなもの、丸い形状のもの、取れたて、といった条件が揃ったものなら比較的上手くいきます。
冷凍保存の物、柔らかい栗は中実が痛んでいるか未熟なものですので使えません。
渋皮を簡単に剥けないのですが・・・
国産の栗はそう簡単には剥けません。
上欄の条件を満たしているものは、熱湯処理することにより比較的楽に剥けます。
剥くこと自体が目的なら、いったん冷凍処理してからボイルすると渋皮と果肉とが剥がれやすくなり剥きやすくなりますが、冷凍されることによって果実に含まれる水分が脱水され、栗本来の美味しさは損なわれてしまいますのでお勧めできません。

剥きやすい栗を選ぶことが一番の近道ですね、
収穫から数時間経った栗なんかは、鬼皮も渋皮も処理しやすく処理にも時間は掛かりませんね、
栗は新鮮さが一番ですよ・・・

(ご参考)
栗の皮を剥くのに便利なこんなナイフもありますね、

朗報−超剥きやすい国産栗「ぽろたん」が出来ました−>、
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所は国産のクリを改良し、電子レンジなどでチンするだけで簡単に渋皮がむける新品種の開発に成功しましたよ。
「ぽろたん」と名付けられたこの栗は、国産栗を交雑させ、20年ほどかけて改良したもので、甘栗に使われる中国産の甘栗並みにポロリと剥きやすくなったのです。


栗によって仕上がり具合が違う?
栗によっては煮え具合に差が有ることから、レシピの時間どおりに煮ても堅く仕上がったとか、早く柔らかくなりすぎて割れてしまうものもあります。このレシピはあくまで参考程度と理解して下さい。
栗の種類や熟れ具合、収穫直後の新鮮なものから冷蔵庫(冷凍庫)で長期保存されていたもの、そして産地によっても煮え具合が違うものだと理解して下さい。
特にマロングラッセはかなり糖度を上げますので、柔らかく煮たものでも糖分のために果肉が締まってしまいます。渋皮煮の感覚で作ると失敗しますね、・・・
先ず、栗は充分過ぎると思うくらい柔らかく煮上げること。
柔らかく煮上がれば砂糖を入れて徐々に糖度を上げて行くのですが、決して急激に糖度を上げてはいけません。急激な糖度の上昇は、果肉の外側と内側の糖度バランスが追いつかず、平均した堅さに仕上がらないばかりか、しばらくして密離れ現象も生じてしまいます。
マロングラッセは4〜5日かけてようやく仕上がるものなのです。
砂糖を入れる前の下茹のときに栗が充分に柔らかいかどうかはどのように確認されていますか?
茹で加減が充分でなかったと仮定して、念のために今後の工程のなかで修正できる作業はありますか。

栗によっては柔らかくなる時間は千差万別です。産地や品種の他に完熟なものや未熟なもの、保存状態によっても常温・冷蔵・冷凍によっても煮る時間は違ってきます。30分ほどで柔らかくなるものや2時間も掛けなければ柔らかくならないものもあり、ここはもう実際に煮ている栗を取りだして試食してみる方法しかありませんしこれが一番確かな方法です。
ゆで加減が不十分で堅くなってしまったものは以後の過程では修正できません。もう一度栗を流水に入れて砂糖分を抜いてください。栗に甘さが感じられなくなったら最初からやり直すしか方法はありません。ただしやり直したものは栗の風味がかなり落ちてしまいますが仕方有りませんね、
ブドウ糖を入れるタイミングとラム酒・ウイスキー・ブランディを入れる注意点

ブドウ糖を使用する理由:
ブドウ糖は粉末水飴と言われている様に水飴と同じ作用をします。
水飴と違ってブドウ糖は常温では乾燥状態ですが、お菓子や料理に利用すると糖化を押さえしっとりさせるなど水飴と同じ効果を発揮します。
ただマロングラッセに使用する目的はしっとり感や糖化を抑える効果は同じですが、マロングラッセは表面を乾燥させなければならないのです。
水飴は乾燥を防ぐのも目的の一つですから、このお菓子には不向きなのです。この点ブドウ糖はもともと乾燥した粉末状態なのでマロングラッセには支障がありません。
ブドウ糖は仕上げの際にザラザラした砂糖の結晶化を防ぎ、糖化しても非常に細かな糖化状態にしてくれるので、マロングラッセにはうってつけなのです。

ブドウ糖を入れるタイミングは、(工程13〜14)で示した通り、翌日の冷えた状態の時にシロップに直接手で確かめます。鍋の縁や栗を包んでいるガーゼ表面に砂糖分が結出しているのを確認できればブドウ糖を入れて仕上げにに移りますが、水飴は決して使用しないで下さい、ブドウ糖の代わりにならないどころか逆効果です。
ブドウ糖を1カップとお湯(水)1/3カップを栗が漬かっているシロップに加え火に掛け、ブドウ糖を完全に溶かし一煮えさせます、しかし決してぐらぐらと煮続けてはダメです。熱くなればそのまま火を弱火にし温度を保ちますがシロップ温度は下げない様に火加減を保ちます。この状態を維持しながらガーゼに包んだ栗を一個ずつガーゼから取り出し乾燥させていきます。

好みによりブランディ・ラム酒・バニラなどで香り付けをしますが、アルコールの種類により製法が異なります。基本的にはラム酒の様に熱に強いものはその風味も保ちますが、ブランディのような優しい香りのものは直ぐに香りが飛んでしまいます。
ブランデーの香りを残すにはブランディ香料を使用します。市販のブランディは直ぐに香りが無くなってしまい、たとえ多量に使用してもその効果は余り期待できません。
シロップが濃くなり過ぎました、・・・
マロングラッセ 000シロップ濃度が濃くなってしまったらお湯または水を入れ一昼夜寝かすと元に戻ります。
濃いままで表面だけあっさりと仕上げたい場合は、(15)の段階でシロップから出すと直ぐにお湯の中に数秒間浸けて表面のシロップをさっと流してガーゼから取りだし、乾いた布巾で素早く栗表面の水気を取り去ります。

シロップ濃度による仕上り具合
シロップの濃度によって仕上がり具合が違いますので、これを調整することによって艶や甘さ、日持ちを変えることが可能です。
薄め→乾きも早く、マロングラッセの表皮は薄い砂糖幕で覆われます。
濃いめ→乾燥に時間が掛かり、照りも出て濃厚な甘さに仕上がります。
仕上がったマロングラッセが甘すぎるのですが・・・(その逆も・・・)

シロップ(密)の煮詰めが濃くなりすぎたのですね
このような場合はもう一度栗をシロップに戻し、お湯を適当な甘さになるように加え甘さを調整して下さい。次に栗を踊らせないように静かに沸点まで上げ、栗が熱くなった時点で火を止め、そのまま一晩放置して糖分を逃がしてから仕上げて下さい。
薄いシロップで仕上げてしまって、マロングラッセの表面が糖化せず、ベトベトしたままのものは上記の逆でシロップに栗を戻し、砂糖を加え糖度を上げます。やはり一煮えしてから一晩おき翌日に仕上げて下さい。
マロングラッセがガラスの様に糖化せずにベタつくのですが・・

ここがいちばん難しいところです。マロングラッセの名前のとおりグラッセに仕上げるにはベテランでも苦労します。グラスは砂糖の糖化現象を利用しているのですが、栗の上に薄く砂糖を皮膜させる技術が必要です。
出来上がった時点で綺麗なグラス状でも暫くすれば、砂糖皮膜が溶けてしまいます、これをいつまでも溶けないまま保つことは長年の経験と勘が絶対条件です。
簡単に説明しますと、砂糖は水分で溶けてしまいます、逆に言えば水分の干渉さえ防げば砂糖皮膜は溶けませんね、ではどこから水分は来るのでしょうか、
答えは栗に含まれた糖液と空気中の湿気です。仕上げの煮詰めが弱すぎると含水率が多くなり、余剰な水分が表面の砂糖皮膜を溶かすのです。でも砂糖の皮膜を溶かすのは栗に含まれた糖液ばかりではありません、空気中の湿気もグラス皮膜を溶かしてしまいます。
空気中の湿気(水分)と栗に含まれている糖蜜とのバランスが釣り合っていれば砂糖(グラス)皮膜はいつまでも溶けず輝いているのです。
レシピ通りブドウ糖を使っていましたがどうしてもガラス質ができず困っていました。ガーゼや鍋周りには砂糖の結晶ができていても、ブドウ糖を入れると結晶が無くなってしまうのです。
我流で、結晶ができ始めたシロップから一旦栗を取り出し、シロップのみを更に煮詰めて糖度を上げ、このシロップに栗を戻して温め、乾燥させる方法でガラス層を形成しています。

ブドウ糖を入れる理由は砂糖の荒い結晶を無くしてしまうためなのですから当然結晶は消えたようになりますね、でも実際には砂糖の結晶は非常に細かくなってるだけで無くなってはいません。ブドウ糖によって結晶が微細化されて目に見えないだけなのです。ブドウ糖を入れずに仕上げると、荒い結晶が浮き出てきます。お菓子作りには、こうしなければと云った正道と言うものは有りません、工夫されて目的のものが出来ればそれが正解なのです。
マロングラッセに用いる砂糖は何がベストなのでしょうか、

マロングラッセに特定の砂糖が必要だとも思いませんが、どのような風味のマロングラッセに仕上げたいかによって砂糖を選べば良いでしょうね。
栗本来の味を大切にしたいならば、癖のない白双糖あるいはグラニュー糖を用いて下さい。特に純度の高い白双糖を用いるとグラス状に仕上がりやすいですね。
果糖成分の多い上白糖や三温糖、生ザラなどはベタベタしてグラス状にするには難しいですね。
栗以外の風味を楽しみたいならば、白双糖やグラニュー糖の何割かを黒糖や黍糖あるいは三温糖などに替えることでまた違った味のマロングラッセも出来ます。
ただし、当然ですがこれらの砂糖は果糖成分を多く含み、高温状態の中で粘性も増し、褐色化し易く、またかなり吸水性もあるので白双糖を使用した場合のように美しいグラス状には仕上がりにくいですね。
仕上がったマロングラッセの保存について

仕上がり状況によつて変わって参ります。

1.外側が理想的に仕上がっている場合
 外側が薄い砂糖の幕を張った状態で、
 内側はしっとりとしているが、蜜の無い状態
 →アルミ箔で1個ずつ包み、冷蔵庫で約1〜2ヶ月の賞味期間。
 →アルミ箔で1個ずつ包み、冷凍庫(−18℃)で約3〜6ヶ月の賞味期間。
 (賞味期間内といえども時々は味を確かめて下さい)

2.外側の砂糖が溶けてしっとりとして、内側もしっとりとしている状態
 包まずに冷蔵庫に入れて、約15日〜1ヶ月の賞味期間
 アルミ箔で1個ずつ包み、冷凍庫(−18℃)で1〜2ヶ月間
 (賞味期間内といえども時々は味を確かめて下さい)

3.外側の砂糖が蜜状で内側もべとついている状態
 包まずに冷蔵庫に入れて10〜15日間の賞味期間
 冷凍庫は不可(水分過多のために昇華現象が生じ乾燥してしまう)
 この場合には、再度シロップに漬け戻し砂糖を加え、少し糖度を上げて下さい。(11)〜(12)
残ってしまったシロップの活用法・再利用法

活用法はいろいろと考えられますが、ご家庭では限られてきますが、栗の渋皮煮のシロップよりも使い勝手もいいですね・・・

シロップに砂糖の結晶が残っているのを水を少し加え火に掛けて溶かし、コーヒー紅茶の砂糖代わりにどうぞ、、
菓子(餡類・水羊羹・ジャム・アイスクリームなど)の煉り物に使用する砂糖の(一部)代用として、
プリンに使用するカラメルの材料として、
シロップに黒糖を加えてわらび餅やあんみつのシロップなど
料理(煮物など)に使用する砂糖の代わりとして、

使用基準は、シロップの半量が砂糖として計算して下さい。またいろいろな使用法が考えられますので、こんな使い道もあるよ、といった情報も掲載させて頂きますのでお知らせ下さい。

マロングラッセや栗の渋皮煮への再利用
シロップが透明で透き通ったものならば、マロングラッセや渋皮煮への再使用も可能ですが、仕上がりは甘ったるいものになります。
あっさりした物より、甘味が強いほうが良いという方は試して下さい。しかし三度目となりますと、粘り気が出てきますのでお勧めできません。
 
生栗を保存したいのですが良い方法って、、

生栗の保存には冷蔵庫が向いています。
冷凍庫では乾燥してしまい不向きです。
栗の業者は取れたての栗を、湿度管理された無菌状態の冷蔵庫(0度)に入れて一年くらいは保存していますが、家庭で使用している冷蔵庫(チルド室−1〜0度)では、雑菌のためカビが発生し2〜3週間が限度です。

具体的には、栗を清潔にして鬼皮のまま ビニール袋に入れアルコールを噴霧して少しでも殺菌しておきます。さらに通気性を良くするためのビニール袋に小穴を空けてチルド室に保存します。
密封すると栗が窒息死しますし、紙袋では乾燥しすぎますので避けて下さい。
  
編集後記

ここでは皆さんが作りやすいようにガーゼを使用したものを私なりに考案しました。私が学んだ頃はタコ糸でマロンをぐるぐる巻きにしていたのですよ、そのころのガーゼは何度洗っても独特の匂いがあったことを思い出しますね・・

いゃ〜驚きましたね。
マロングラッセのレシピサイトが最近になってものすごく増えていました。
2004年11月に検索したときには、マロングラッセのレシピは皆無状態、検索サイトのトップ・グーグルでも一件もヒットしなかったのに、2006年秋にはすっごく増えている。それも全てがガーゼを使用しているのですよ、(笑)
この国は著作権なんかあっても無いに等しい国なのですね、・・・せめて参考にしたサイト名くらいは断っていただきたいのですが、ちょっと悲しいです、
なんだかマロングラッセを手がけておられる洋菓子屋さんに悪いような気がしてなりません。
(洋菓子屋さんからもお礼のメールを戴いておりますが、それがせめてもの救いですね)




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皆さんにみてもらいたいから、ちょっとだけコマーシャルを入れさせて下さいね・・・マロングラッセのレシピ& Marron glace Marrons Glaces recipe
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