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つぶあん


● 材料
大納言(とよみ)・・・・・・・・・・・300g
 (とよみ大納言はこちらからお買い求めいただけます)
砂糖(白ざらめ、又はグラニュー糖)・・400g(甘さ・普通)〜350g(甘さ・あっさり)

● 準備するもの
30センチくらいのボールと鍋 (銅製鍋があれば理想的です)
渋切り用のザル(または網かご)
布巾・木勺・落とし蓋(別に無くても可)

● アドバイス・知恵
出来上がりは750g〜770gくらいになります。
北海道産・とよみ大納言を使用しました。
市販の豆を選ぶ際、色の浅いものを選んで下さい。色の濃い小豆は味が落ちます。
豆粒の大小はあまり気にしないこと。
良質豆の場合は(1)の水漬けをせずに、工程 (2) から始めてください。
水漬けすると味を悪くしてしまいます。
余った餡は使いやすい分量に小分けし、冷凍庫で保存してください。
渋切り加減(4)〜(6)で、あっさりしたものや甘ったるいものが調整出来ます。
水飴は加えないで下さい。
重曹小さじ一杯を(1)または(2)の時に加えて煮ると、皮が柔らかくなります。
 (1)、色が黒くて皮の堅い豆の場合にはこの時点で重曹を添加、
 (2)、(1) ほどでもないが、皮の堅さが気になる場合にはこの時点で添加する。
重曹は<渋きり>後には加えないこと。

● 応用
青豌豆餡など、たいていの粒餡類は、この製法で応用出来ます。





北海道産・とよみ大納言を使用

● 作り方
(1) とよみ大納言の場合、前日からのつけ込みは不用です。
市販の吸水性の悪いものは前日につけ込んでから使用し、つけ込み後も充分に膨らんでいない豆は煮る前に捨てます。(10時間以上の水漬けはまずくなるので不可)

(2) とよみ大納言の場合はここからスタート
水を入れ中火で炊き始めます。一度沸騰まで煮ると、火加減を弱くし、コトコトとゆっくりと煮て下さい。途中に浮いてくるアクはこまめに取ることが美味しく仕上げるコツです。

(3) 煮始め→渋きりのタイミング
時々は豆の状態をみて、豆が割れていないかを確かめて下さい。豆が腹割れしないように、ゆっくりと大切に煮るように。
45〜50分で渋きりに移れるくらいがちょうどの火加減です。
時間前でも豆が割れそうだと直ぐに(4)渋きりに移って下さい。

(4) 渋きり
豆が目一杯膨らんだ時が渋切りのタイミングです。(*注1)
渋切り用のザル(または網かご)を準備します。
この渋きりの時点で豆が割れていると煮すぎで、火加減が強かったと判断して下さい。

(5)
この作業は、煮上がりの熱い豆が乾いてしまわない内に手早く進めて下さい。豆をザルに移し、今までの煮汁を全て捨ててしまいます。同時に豆に冷水を掛けて腹割れを防ぎます。

(6)市販の豆の場合です(とよみの場合は不用です)
豆を冷水に浸して、2〜3分ほどそままま浸けておきます。一種のアク抜きですが、味の濃いのをお好みの方はこの行程を省いてくださいね。

(7)
再び豆を鍋に移し、水を入れて煮始めますが、水を入れすぎますと豆の煮くずれが起こりますので、豆がちょうど浸かるくらいの水で煮始め、沸騰直前に弱火にし、コトコト煮て下さい。

(8)
落とし蓋があれば、使用してください。アルミ箔でも代用可能
金属製の落とし蓋は豆が軽く押さえつけられ安定し、潰れずに炊けますのでツブ餡にはうってつけです。(写真参照)

(9)
(7)から、40分〜50分程ムラします。出来上がり具合を試食して確認して下さい。ザラつかずに美味しい豆の風味が出ていればできあがりです

(10)
煮始めてから、渋きり・煮上がりまでの時間は2時間くらいです。柔らかく煮上がった豆は、そのまま口に含んでも本当に美味しいものです。 (サラダにも使えますよ・・・)
布巾に移し煮汁を捨てます。

(11)
そのまま布巾の口を締め軽く搾り、豆に含まれている余分な水分を絞り出します。
絞りすぎて豆をつぶしてしまわないようにすること。
(決してカラカラ状態にはしないこと)

(12)
写真は比較的軽く絞った状態です。(生あんです)
生あんにはまだかなりの水分が含まれています。
水分をどれだけ残すかが、餡の風味を決めます。

(13)
この生餡に計っておいた砂糖を全量加えます。
砂糖と混ぜますが、乱暴にしないで下さい、豆に含まれた水分が砂糖を徐々に溶かして行きます。
(*注2)

(14)
これくらいにほぐれれば、中火に掛けて炊き始めます。
余熱があれば直ぐに溶けてしまいます。

(15)
火加減は、ブツブツと沸騰、中火以上です。
出来る限りかき混ぜないで、底の部分だけを焦げないように注意深く攪拌すること。
攪拌し過ぎると味のない甘ったるい餡に仕上がります。

(16)
煮詰まってきても出来る限り弱火にしないこと。
焦げないように上手く攪拌してください、くれぐれもかき混ぜすぎないこと、・・これポイント・・・

(17)
上手く炊きあがった餡は香りも艶もよく、かなり水分も含んでいる割には、よく締まっているものです。
木勺からかろうじて落ちなくなるくらいが、仕上げ時です。
必ずこの結果を次回に活かして下さいね

(18)
出来上がれば、直ぐに堅く絞った布巾の上に広げ冷まします。鍋の中に入れっぱなしはダメですよ・・・。荒熱が抜ければ表面が乾かない内に容器に移して冷蔵庫で保存してください。結果として、餡が堅く仕上がってしまった場合には、
餡量の5〜10%くらいのお湯を加えて炊き直して下さい。
炊き直した場合、味は少々落ちますが・・・

このレシピは「とよみ大納言」を使用いたしました。


(*注1)
とよみ大納言の場合、45〜50分で渋きりに移れるくらいがちょうどの火加減ですが、熱源(電気・ガス・プロパン)・鍋質などの環境により10分ぐらいのズレが生じることもあります。コツは渋きりの時点で大納言が平均に膨れるように火の調整をすることです。このために時間をかけてゆっくりと煮てやる必要があるのです。
(*注2)
砂糖を生餡に直接加えず、別に溶かしてシロップ液を作り、これに生餡を入れて仕上げる方法もあります。
粒あんQA
Q 「粒餡・・国産の良質な豆の場合、煮始めから終了までの時間を教えて下さい(略)・・」
00分、とよみ大納言 煮始め開始
→40〜45分、渋きり(目一杯膨らむが中身はまだ堅い)
→50分〜渋きり完了、 蒸らし始め開始 
→100〜120分、皮も柔らかくなり美味しそうな小豆の香りが漂ってくれば完了
 (注意) 火加減により少しは変わりますがご了承下さい。
Q 「渋切りのタイミング」って具体的には・・・
(*注1)
豆が目一杯膨らんだ時が渋切りのタイミングといっても判りにくいですね、でもこのタイミングは豆によってかなり違ってくるのです。新小豆(収穫時期から一年未満の物)で色も浅い最高級品質の場合は、約40分前後で目いっぱいに膨らみます。ヒネ(一年以上経過した古い豆)では、経過した年数に比例して、膨らむのが遅くなります。
また小豆皮の色の浅い物ほど早く水分を吸収して膨らみますが、反対に色の黒い物ほど水分吸収も悪く膨らみも悪いですね・・・1時間以上経っても目いっぱい膨らまない豆や、膨らみにバラツキのある豆は使用しない方が良いですね。むしろ渋きり時に煮え具合の不揃いな豆は捨ててしまう方をお勧めします。全部が膨らむのを待っていては良質な豆までダメにしてしまいますから・・
Q どうして重曹を使用するのですか ・・・?
重曹は使用しないに超したことはありませんが、豆の皮が堅くて滑らかな粒あんに仕上がらない場合に限って重曹を使用します。重曹は繊維質を柔らかくする作用があり、栗の渋皮煮にも使用することで理解できるでしょう。しかし使い過ぎると皮に含まれるうまみ成分をエグ味(アク)成分に変えてしまうので使用量に注意して下さい。
(水漬けをする必要のない)良質の豆の場合には、味が落ちるので重曹は使用しない方がいいでしょう。
Q 重曹を使用するときの大切な注意点を教えて下さい・・・。
使用基準は決まったものはなく、使用する豆によって量を決めていきます。色の濃いもの、皮の厚いものには多く使用します。何度もの経験が勝負どころとなります。
Q (渋きり)豆が膨らみきるまで待つと、うまみが捨てるゆで汁のなかに全部出てしまうような気がするのですが?
大丈夫です、豆のうまみは膨張し続けている間には、渋み・エグ味は出ても旨味成分は抜けません。
豆が完全に膨らんだ状態以降から、旨味成分が抜け出します。ですから膨張してから渋きりもせずそのまま於くと渋み・エグ味が豆の内部に浸透し、逆に旨味成分はどんどん抜けていきます。



生の大納言から仕上げるのは苦手という方は、こちらからお買い求めいただけます。




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