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シフォンケーキの底に大きな穴があいてしまいます。深さが1センチ位、長さは大きな時は10センチ以上の穴があいてしまいます。失敗しない方法を教え下さい。うまく行く時もあるのですが気泡が原因にしては大きすぎるように思います。
時には2台、生地を一緒に作っておいて別々のオーブンで焼く時がありますが、この時も一方にだけ穴が開いてしまうことがあります。生地の温度とか、成分無調整の牛乳を使っていることが原因なのでしょうか。(Y.Y.さん)
<回答100>



(ご質問)
> シフォンケーキの底に大きな穴があいてしまいます。
> 深さが1センチ位、長さは大きな時は10センチ以上の穴があいてしまいます。
> 失敗しない方法を教え下さい。
> うまく行く時もあるのですが気泡が原因にしては大きすぎるように思います。
> 時には2台、生地を一緒に作っておいて別々のオーブンで焼く時がありますが、この時も一方にだけ穴が開いてしまうことがあります。
> 生地の温度とか、成分無調整の牛乳を使っていることが原因なのでしょうか。

(配合) = 卵黄4個、砂糖70g、サラダオイル30g、成分無調整牛乳40g、薄力粉70g、卵白4個

他に・・・オーブンは電気オーブンを使い170度で35分から40分焼いています。材料は冷蔵庫で冷やしていますが卵白以外は作る少し前に常温に戻して使っています。よろしくお願いいたします。

<プロからのアドバイス>

<成分無調整の牛乳>・・・・これは関係ありません。

<生地の温度>・・・
これはすべてのお菓子に当てはまることですが、温度差によって変化することは、焼成時間・製品の浮き具合・質感など多岐多様。
また同時に作った生地でも、釜に入れる時間が異なる場合当然生地状態も変わっていることを知って下さい。特に油脂が入っている生地は、放置せずに速やかに釜に入れるようにして下さい。油脂のために気泡が消されてしまい、製品の浮き具合に影響します。

<別々のオーブンで焼く時があります>・・
まったく同じ条件で作ったベースなのに、釜(オーブン)だけが異なっている場合には、ここに原因がありますね、
ケーキ作りの基本の一つに釜の癖を知ることも大切です。同一メーカ同一機種の場合でも、別物だと思って下さい、個々の釜の癖を焼成結果から判断するように心がけて下さい。

> オーブンは電気オーブンを使い170度で35分から40分焼いています。
生地を焼く場合、同じ温度設定でも一回目と二回目とでは出来具合が異なることを経験されたと思うのですが、一回目の時は釜全体(庫内温度)が安定していないことに原因があるからなのです。また釜によっては下火のきくもの、上火のきくもの、熱伝導の善し悪し、外部に熱が放散しやすいもの、など製品の出来具合は大きくかわります。

Yさんの場合でも、別々の釜で焼き上がったシフォンを比べて下さい。
上手く焼けたものとの比較で、釜の状態を判断出来ると思いますが・・・・
シフォンの底・周囲・上部の焼け具合、焼成時間の違い、生地の内部の出来具合などで判断して下さい。

> 材料は冷蔵庫で冷やしていますが卵白以外は作る少し前に常温に戻して使っています
釜に原因が無い場合は以下のことを参照してください。
底辺に穴があいているのと、生地中に穴があくのとは原因が明らかに違います。

生地中に大きく穴があいている状態
考えられる一番の原因は、卵白の泡たて過ぎか、そうでなければ気泡が弱い(腰がない)ためと思われます。気泡がしっかりしているならば、泡立てをもう少し控えめにすればよいでしよう。(気泡がしっかりとしているのと、卵白をしっかり泡立てるのとは意味が違います)
もう少し詳しく述べます。
焼き上がり生地の中に大きな穴があいているのは、泡立てた小さな気泡の一つ一つが弱いために生地温度が上昇するにつれて壊れ、ひとつの大きな気泡の固まりになってしまうからなのです。一つ一つの気泡膜がしっかりとしていればこのような結果になりにくいのです。
卵を割ったときにもお分かりだと思いますが、新鮮な卵は粘りが強く盛り上がっているものですが、水状態に近いものほど、腰(粘り)も弱くいろいろな失敗の原因となります。

レシピ通りの配合に忠実にすることは大切ですが、材料にも気配りが必要です。
特にシフォンケーキは卵の腰の強さで、仕上がりが大きく変わってきます。卵の腰の強さは鮮度はもちろんですが季節によっても気温によってもちがってきます。(冬に作った時にはうまくいったが、夏期には失敗するのはこのためです。)

底辺がへこんだ状態になっている原因
底辺がへこんだ状態になっているのは、生地に粒子の細かいもの(ココアパウダーなど)を加えた場合や生地の攪拌し過ぎで粘りがでてしまって、空気が上部に逃げない性もあります。
生地を混ぜるときに大きな空気を入れないこと、もし生地の中に大きな気泡がある場合は、シフォン型に流し込むとき、生地を30センチほどの高い位置から少しずつ垂らすように入れると気泡がつぶれます。

このほかに考えられる原因
粉の粘度、粉に含まれる水分:季節の温度・湿度によって粉の粘り具合が変わってきます。ケーキに使用する粉はやはり鮮度の良い内に使い切って下さい。湿気を吸った古い粉は粘りやすく、空洞化の原因にもなり、浮きが悪く特にこのケーキには不向きです。

(結果報告)
先日は詳しい説明をしていただきありがとうございました。いろいろなアドバイスの中で思い当たる原因がいくつかありました。
もう一度基本に戻ってしっかりとしたメレンゲを作り卵黄の生地とメレンゲをあわせるときに素早くあわせて焼いてみると上手くいきました。
夏場はメレンゲがきれいに作りにくくなるのでそのへんをもっと意識してやっていこうと思います。
ありがとうございました。

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