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いつもこちらで勉強をさせていただいております。今日はいつまでたっても上達しないスポンジケーキについて教えていただきたいことがあります。何回焼いても口当たりの悪い(かたくてぼそぼそした感じ)スポンジにしかなりません。18cmの型を使用していますが、高さも4cmくらいにしかなりません。もっと高さがでるものではないかと思うのですが。
なぜ口当たりが悪いのか、4cmしか高さがないのは標準なのか(何cm程度膨らむのが標準か)、高さが足りない場合その原因は何か についてをぜひ教えていただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
<回答0120>


氏名 o.i
地名 北海道

配合欄 =鶏卵…3個、薄力粉…100g、グラニュー糖…100g、溶かしバター…20g

<行程>
@共立てで鶏卵を泡立てる。垂らしたらしばらくその跡が消えない程度。(湯煎しながら。ハンドミキサー使用)
A@にグラニュー糖を加えてさらに泡立てる。
B薄力粉を加え完全に混ぜきらないうちにバターを加える。
Cオーブンレンジの「オート調理 ケーキ」で焼く(30分程度)。

*焼き上がったらすぐに型からだしさました方がよい、さめるまでオーブンの庫内でそのままにした方がよい、と2つの話を聞いたことがあります。正しいのはどちらなのでしょうか。

<プロからのアドバイス>

生地にバターが入る場合は、共立法をお勧めします。
この方が生地と油脂とがなじみやすいのです。

配合的には何ら問題ありませんが、バターは無塩バターを使用するようにして下さい。この法がフンワリ、さっぱりとしたものが出来上がります。
問題はAの行程にあります。共立ての場合は、砂糖を入れて熱を加え、砂糖を溶かしてから泡立ててください。
ある程度泡立ってから砂糖を入れると、それまでに卵の腰が抜けてしまい、フンワリ仕上がりません。(別立ての場合と勘違いされています)

「共立て法」
まず、ボウルに卵を割リ入れ、泡立て器でほぐしたら、グラニュー糖をここで全量一度に加え入れ、人肌以上に加熱して砂糖を溶かすとすぐに泡立てはじめます。
黄色っぽい状態は、まだ泡立て方が足りません、卵が白っぽくもったりした状態にまで泡立てる。
泡立て器で生地をすくい、上からたらしてみます。たれた生地が山状に積もって、容易にくずれない状態になったら、完全に泡立った証拠です。

薄力粉を加えます。
薄力粉を入れたら、さくっさくっと切るように混せます。決して練ったりこねたりしてはいけません。せつかくできた泡をつぶさないように木べラで混ぜます。
こねると粉の粘りがでてくるので、さっくりと切るように混せます。ある程度混ざれば、ボウルの底から生地をすくい上げるように混ぜます。

50度位に加熱したバターを木ベラで受けるようにし、生地に散らすようにし、手早くさっと混せます。

焼き行程
生地を型に一度にさっと流し入れます型のまわりに生地が着かないようにします。
型に生地を流し入れる際、最後にボウルの底に残った生地は、浮きが弱っているので、火の回りの早い、型の周囲に入れます。これを真ん中に入れると、真ん中の浮きが悪くなりへこんだスポンジになります。

生地表面を平らにしたら、160〜170のオーブンの中段で約30分焼きます。
かならず竹串を刺してみて、何もついてこなかったら焼き上がりです。(かすかに生地が付着する位の時の方が良いのですが、慣れないと無理)
生地が焼き上がったら、オーブンから出し、型とスポンジの間に、ナイフを入れてひっくリ返し、型からはずします。
網にのせて冷まします、ぬれぶきんをかけて乾燥を防ぎ、冷めるまで置きます。

*焼き上がったらすぐに型からだしさました方がよい、さめるまでオーブンの庫内でそのままにした方がよい、と2つの話を聞いたことがあります。
正しいのはどちらなのでしょうか。

さめるまでオーブンの庫内に置くことは絶対にダメです。スポンジが乾燥してしまいます。
金型枠からも取りだしておくこと、熱くなった流し型の中では、乾燥してしまいます。
出来上がり: 18cmの型の場合、高さは6〜7cmくらいにはなるはずです。



なぜ口当たりが悪いのか、のご質問ですが、以下の基本的な知識を知って下さい。

生地の膨張は卵の泡の力
スポンジケーキは、卯の泡の力でふくれさせます。卵白の泡の中に含まれる空気が、焼くときの加熱によって膨張し、泡をふくれさせ、生地をふくらませるのです。
別立て法のほうが失敗が少ないのは、卵黄と白味を分けて泡立てるため短時間に泡立つからです。
共立て法は卵黄も一緒に泡立てるため、力と時間を要しますが、きめ細かく泡立つ、出来上がりの良さがあります。
卵は必ず新しいものを使います。古い卵は最初は泡立ちがよいのですか、しばらくすると腰がなくなり泡が消えやすく、生地落ちしやすいので注意が必要です。

砂糖の役割
砂糖は、お菓子に甘味を加えるだけでなく、卵の泡を強くしっかりさせる役割もします。
グラニュー糖もふるいます。
粒子がそろい、卵などに早くなじみ、溶けやすくなるのです。

小麦粉は薄カ粉を使う
粘り気をだすグルテンが一番少ない薄力粉を使います。
薄力粉は、あらかじめ2回ふるっておさます、粉ふるいを通すことで、かたまりの無い空気をたくさん含んだ粉にすることがでさるからです、空気を多く含んだ粉により、生地はさっくりと軽く仕上がるの.です。

テクニックですが、泡立てた卵に粉を混ぜるとき、決して練ってはいけません、練ったために粘りがでてきて、生地の弾力が強くなり、卵の膨張力だけではふくらましきれなくなるからです。手早くふるい分けるように混合するのです。

バターや牛乳 蜂蜜で風味づけ
生地をしっとりさせ、風味をだすのに利用します。蜂蜜や油脂類は、卵の泡を消す作用があるので生地と混さりやすいように、湯せんをして生地よりも高い温度にしてから手早く混せます。
バターは、塩気のない無塩バターを使います。
塩分は粉の粘りを増します。
お試し下さい。

お返事
丁寧なアドバイスをしていただいてありがとうございました。
本当に遅くなってしまってすみません。

共立て生地と別立て生地では砂糖を入れるタイミングが違うことは初めて知りました。ありがとうございました。
まだ、その後再チャレンジはしていませんが、次は教えていただいたようにやってみたいと思います。
また、お世話になるかもしれませんがよろしくお願いします。

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